箱としての家造り、箱の中の家造り
「家って箱なんですよね!」と言って「そうですね!」と言っていただける方は、あまり多くありません。多くの人は「何それ」って感じで目をパチクリさせます。
よく考えていただければ解るのですが、家は床・壁・天井の6面体の場合が多いです。ただ、箱の中に入ってしまっているので気付かないという状態です。
「箱」と言われるとお菓子の箱やおもちゃ箱などを想像される方も多いと思います。これは、巨人が箱(家)を見ているような状態です。家という箱を、ドールハウスだと思っていただければ、それ程不思議に思わなくなってきますよね。ドールハウスは「箱」ですよね。
家は箱に雨をよける板(屋根)が付いているだけです。いくつもの箱を積み重ね、並べて、その上に水が流れるように板を付けてあるだけです。家は根本的に単純なんだと言えます。
家の間取りを考える時に、「積み木」に例えられることが多いのは、そんな箱の積み重ねだからです。
箱という部屋をいくつか積み重ね、家は出来上がっています。作る過程を無視するとそういうことになります。
良い間取りや住み易い間取りは、この「箱の並べ方」が使い方から考えられたり、大きさが使い易いサイズだったり、応用が利く並べ方だったり、敷地に合っていたり、日当たりや通風が考慮されて並べらることで可能となります。
つまり、箱の集合体が「家」であり、その並べ方が使い勝手や住み易さに大きく影響するということです。
「箱としての家造り」とは、人を入れる箱を造るということになります。
どんな物を入れるかによって箱の作り方が変わるように、どんな人を入れるかによっても、箱を変えなければなりません。
お菓子を入れる箱は厚紙の箱で良いですが、ジャガイモをいっぱい入れる箱はコンテナのような丈夫な箱でなければなりません。豆腐を入れる箱は、水でふやけてしまうような紙ではダメです。よくあるのは薄いプラスチックですね。
このように「入れる物」によって箱は変わらなければなりません。それが、人であっても同じことです。
箱の外側や箱の内側は、入れる物によって変わってしまいます。
そして、「箱の中の家造り」は箱に命を吹き込むということです。
新築の家は、床・壁・天井があるだけです。そこに、ソファーを入れたり、テーブルを入れたり、ダイニングテーブルやテレビ、花瓶などの家電や小物が入ることで、「人が住む家」にはじめてなります。それが、箱の中の家造りです。
箱の中に命を吹き込むことも、箱に合わせて造り込んでいたのでは、どこかに無理が生じます。
どのように造り込んで行きたいかによって、箱の形を変えることでより使い易い、住み易い箱とすることが可能となります。
どのように造り込んで行きたいかを考えることも重要ですね。
●これから家を新築する方へ
間取を考える時には、2次元の平面で考えるのでなく、3次元の箱の中をイメージして下さい。
積み木のような箱を組合せていると考えると少しは家を立体的に想像できると思います。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは、箱の使い道を良く考えるということです。使い方を考えずに箱を造ってしまうと後戻りが出来ません。壊せないので、後の後悔先に立たずです。泣くに泣けませんね。
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